すべり台、子どもより大人の方が滑るの速い? モヤモヤ検証し卒論に

有料記事

水戸部六美

 子どもに大人気のローラーすべり台。大人が滑ると、子どものころより速く感じ、尻が焼けるように痛くなる。でも、学校では「斜面を滑る物体の速さは、質量によらない」とならったはず。一見、教科書と矛盾するこのモヤモヤを立教大の村田次郎教授(素粒子・原子核)の研究室の学生(当時)が卒業論文で調べた。実験で導き出した答えは?

教授の疑問 「すべり台で子どもに追いつけちゃう」

 きっかけは4年前。村田さんが、当時小学1年生の長男と公園で鬼ごっこをしていたときのことだ。

 すばしっこくて、なかなか追いつけないが、途中で長男がローラーすべり台にのぼり、滑って逃げようとすると、そこで必ず追いついた。明らかに自分の方が速く滑っていき、後ろから追突しそうになる。止めようと足で踏ん張ってもダメだ。これは一体どうしたことか……。

 疑問に思ったのは、高校の物理で習う摩擦の法則が頭にあったからだ。法則通りなら「摩擦がある斜面を物体が滑り降りる運動は、空気抵抗が無視できるなら、速さは質量によらない」はずだ。

 自分だけの思い込みではなさそうだ。ネット上のQ&Aサイトでも同様の疑問が度々投稿されていた。

 そこで村田さんは2021年、このモヤモヤを研究室の学生に卒業論文の研究として調べてもらうことにした。

文武両道、野球部学生に白羽の矢

 白羽の矢が立ったのが、当時…

この記事は有料記事です。残り1891文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら