LGBT教育の規制強めるフロリダ デサンティス氏が変える学校現場
2024年の米大統領選に立候補を決めたフロリダ州のデサンティス知事は、保守的な教育改革を目玉政策に掲げてきた。その柱が、LGBTなど性的少数者をめぐる教育を学校で一部禁止にすることだ。地域社会や教育現場に激しいあつれきを生んでいる政策の現状を、現地から探った。
フロリダ州タンパ郊外の小学校で5年生を受け持つジェナ・バービーさん(26)は5月5日、州政府からある通知を受け取った。
「あなたが不適切な行為に及んだという申し立てを受け、調査が必要だと判断した」
「不適切な行為」とは、教室で児童たちにディズニーの映画を見せたことを指していた。「ストレンジ・ワールド」という親子3代の冒険を描いたアニメだった。
主役級の少年がゲイで、友人の男の子に恋心を抱く描写がある。それを見た児童の保護者から、学校で見せるには不適切ではないか、との声が寄せられたのだった。ゲイの少年が出てくる映画を見せると、法律違反だと通報される――。この出来事は米CNNなど全国メディアで広く報じられた。
LGBTと学校教育、アメリカの現場では
日本で「LGBT理解増進法案」の動向が注目されていますが、米国でも性的少数者をめぐる議論が活発です。教育現場での規制を強めるフロリダ州から、現状を報告します。
ディズニー映画は「不適切」、母親が通報
フロリダ州ヘルナンド郡の自宅で、バービーさんが取材に応じてくれた。
「ゲイについての映画を見せ…
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- 【視点】
去年1年間でLGBTQや黒人差別に関する図書を中心に1648冊が「禁書」対象となった。もっとも、この「禁書運動」は自発的に起きた運動ではない。背後には、「Moms For Liberty(自由のための母たち)」という保守的な保護者団体の存在
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