第4回原潜国産化に突き進むオーストラリア 反対派が懸念する「フクシマ」
アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス、イギリス。
そしてインド。
世界で原子力潜水艦(原潜)を持つ国々だ。
わずか6カ国。いずれも軍事大国で、核兵器の保有国でもある。
2021年、そんな「原潜グループ」に仲間入りしようと動き出した国がある。
オーストラリア(豪州)だ。
かつて自らを「世界でもっとも安全な国のひとつ」と評した南半球の大陸国はいま、国防戦略を劇的に変えようとしている。
動き出した30兆円の巨大プロジェクト
その柱が、原潜の導入だ。30兆円規模の資金をつぎ込もうという巨大プロジェクトが、動き出した。
「私たちは第2次大戦後の世界で最大の、通常戦力の増強が進められていく様子を目にしています。もし対応しなければ、歴史に批判されるでしょう」
3月15日、南オーストラリア州アデレード近郊の海軍造船所。視察に訪れたマールズ副首相兼国防相は、記者会見でそう言った。軍拡を進める中国が念頭にあるのは明らかだった。
この前日、アルバニージー豪首相はバイデン米大統領、スナク英首相とともに、21年9月に立ち上げた3国間の安全保障協力「AUKUS(オーカス)」による原潜の導入計画を発表していた。
計画は3段階だ。
路線転換したオーストラリアは、原子力潜水艦を手にして何をめざすのか。記事後半ではその狙いと、課題を追います。
①豪西部の基地に、米英の原…
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