コンピュータ将棋、dlshogiが優勝 温めていた後手番の秘策
第33回世界コンピュータ将棋選手権が3~5日、川崎市で行われ、「dlshogi with HEROZ」(DL将棋)が連覇を果たした。決勝リーグで他の将棋AI(人工知能)と6勝1敗で並んだが、勝った相手の勝数の合計の差で優勝が決まった。戦いを有利に進めるために取り組んだ、事前の「定跡研究」が功を奏した。
今回の選手権には46のAIが参加。1次予選、2次予選を経て、八つのAIが総当たりリーグで競った。
6回戦を終えた時点で、DL将棋とやねうら王、W@nderER(ワンダラー)が5勝1敗で並んだ。最終7回戦ではDL将棋とRyfamate、やねうら王とワンダラーが対戦し、それぞれ前者が勝利。勝った相手の勝数の合計はDL将棋が17、やねうら王が16で、1ポイント差でDL将棋が頂点に立った。「勝てば優勝」だったワンダラーは初優勝を逃した。
DL将棋は、スマートフォンなどで遊べるアプリ「将棋ウォーズ」を運営する「HEROZ」の社員3人が開発した。車の自動運転に活用されるディープラーニング(深層学習)を採り入れており、序中盤の形勢判断の正確さが特長の一つだ。開発者の1人の大森悠平さん(41)は「優勝は狙っていた。うれしい」。
後手番で勝つたDL将棋の開発者が事前に用意した対策とは? 参加した46のAIの中には、東大大学院の博士課程に在籍する谷合廣紀四段が開発したものもありました。自然言語処理と同じアプローチを活用したといい、記事の後半では谷合四段に尋ねた手応えも紹介しています。
近年、AI同士の対戦は先手…
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