北朝鮮が発射失敗認めた「衛星」 その能力と課題は?米専門家に聞く

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ワシントン=牧野愛博
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 北朝鮮が5月31日、沖縄の方向に向けて軍事偵察衛星の運搬ロケットを発射したと発表しました。発射は失敗したため、早期に第2次の発射を行うとしています。金正恩(キムジョンウン)総書記も16日、軍事偵察衛星1号機を視察していました。米ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのデビッド・シュマーラー上級研究員に、北朝鮮の衛星の能力や課題について聞きました。

 ――正恩氏は4月18日、国家宇宙開発局を視察し、宇宙環境試験基地などを視察しました。

 北朝鮮は2015年5月、平壌に建設した「衛星管制総合指揮所」を公開しました。新しい衛星を製作し、すべてのテストを行う場所です。宇宙の状態を再現する施設もあります。金正恩氏の邸宅のすぐそばにあります。

 今回は、以前の(1998年、09年、12年に行った)打ち上げとは、大きな違いを生むと思います。以前の衛星はもう少し原始的でした。今回の衛星は、技術的に発展し、進歩している可能性があります。

 ――「衛星運搬ロケット」の発射は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を偽装する狙いがあるという指摘もあります。

 (09年、12年に発射した)「銀河」には、ICBMプログラムを偽装する狙いもあったと思います。

 しかし北朝鮮は現在、使える複数タイプのICBMを保有しています。衛星発射をICBM発射のための偽装手段と判断するのは、古い考え方です。

北朝鮮の技術発展を探る機会に

 ――米国の商業衛星として有名なマクサーやプラネットラボと比べて、北朝鮮の能力はどの程度だと考えますか。

 プラネットラボは高解像度の…

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