「緊急事態の恒久化を招く」憲法学者が任期延長を批判 衆院憲法審

憲法

国吉美香
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 衆院憲法審査会は18日、憲法が定める参院の「緊急集会」について、憲法学者2人を参考人に招き、意見を聴いた。長谷部恭男・早稲田大大学院教授は、緊急集会の開催を規定する54条は議員任期満了でも適用できると指摘。憲法改正によって緊急時の衆院任期を延長することは「政権の居座りを阻止する目的を没却(ぼっきゃく)する」と批判した。

 衆院憲法審では、大規模な自然災害などの緊急時に長期間選挙が出来なくなることを想定し、衆院任期を延長する改憲議論が自民を中心に進む。長谷部氏は「任期を延長された議員と、それに支えられた従前の政権とが長期にわたって居座り続ければ、緊急事態の恒久化を招くことにもなりかねない」と述べた。

 54条は緊急集会の開催を衆院解散時の衆院不在に限定するが、長谷部氏と、この日出席した大石真・京都大学名誉教授は、任期満了による衆院不在時にも適用できると指摘し、自民や公明などとの立場の違いを示した。(国吉美香)

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