京都三大祭りの一つ「葵祭(あおいまつり)」が16日午前、京都市内で行われた。ハイライトである華麗な王朝行列「路頭(ろとう)の儀」はコロナ禍で中止が続き、4年ぶりの実施。平安装束を身にまとい、冠や衣装にフタバアオイの葉を飾った約500人が京都御所(京都市上京区)を出発し、世界遺産の下鴨神社と上賀茂神社に向かって都大路を練り歩いた。

 祭りのヒロイン・斎王代(さいおうだい)を務める松井陽菜(はるな)さん(29)=東京都=が十二単(ひとえ)姿で腰輿(およよ)と呼ばれる輿(こし)に乗って登場。優雅な姿が詰めかけた観客を魅了した。今年は上皇ご夫妻が京都御所の建礼門前で路頭の儀の出発を見守った。宮内庁によると、上皇さまが葵祭を見学するのは初めてという。

 葵祭は、下鴨神社と上賀茂神社の例祭で、6世紀が起源と伝わり、「源氏物語」や「枕草子」にも登場する。王朝行列は15日に予定していたが、天候不良で1日順延した。(西田健作