第18回ネット戦略「制御不能」 自民党総裁選で起きた異変、ボットも関与か
編集委員・佐藤武嗣 中田絢子
広島で5月19日に開幕する主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)は、デジタル空間での偽情報対策が一大テーマとなる。
AI(人工知能)を用いた文書の自動生成や翻訳で他国の言語を操り、ロシアや中国などが民主主義国に政治介入している。4月3日の参院決算委員会でそう指摘した野党議員に、岸田文雄首相は「選挙干渉を目的とするものも含め、悪意のある偽情報の拡散は、民主主義に対する脅威だ」と強調。「広島サミットなどの機会を活用しながら、価値観を共有する国との協力を進めたい」と語った。
対立や憎悪をあおる発信がデジタル空間を駆けめぐり、政治・社会を分断し、政治工作にも利用される。そんな懸念が国際社会で深刻化している。欧州議会は報告書「民主主義への主なソーシャルメディアのリスク」で、こう指摘する。「情報をねじ曲げ、誤った言説を作りだし、政治的操作を容易にすることで民主主義をむしばむ」
デジタル空間での分断は、岸田氏が党総裁に選ばれた2021年秋の総裁選でも起きていた。
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