太陽光が急に増えて…電気を「捨てる」出力制御、全国の大手電で拡大
太陽光と風力でつくった電気の受け入れを大手電力が一時的に止める「出力制御」が、大手10社のうち8社のエリアまで広がっている。これまでは電気の使用量が比較的少ない地域に限られていたが、今年は大都市圏の中部も実施し、東京と関西も備え始めた。再生可能エネルギーを使い切れずにムダにしているのに等しく、普及に向けた課題となっている。
電気は発電量と使用量のバランスが崩れると、周波数が乱れて大停電につながるおそれがあり、大手電力の送配電部門が調整している。使用量より発電量が多くなるときに受け入れを止めるのが「出力制御」だ。休日で大量の電気を使う工場が稼働せず、晴れて太陽光発電が多くなる日が想定される。冷暖房需要が減る春や秋が特に多い。
国のルールでは、まず二酸化炭素(CO2)の排出量が多く、出力を上げ下げしやすい火力の発電量を限度まで減らし、余った電気を他の地域に送る。次にバイオマス、太陽光・風力の順で再エネを抑える。出力を簡単に調整できない原発は順番としては最後となる。
中部と北陸は4月8日に初めて出力制御をした。中部の送配電網は名古屋市を中心に工場集積地にも広がり、電気の使用量は多い。それでも制御せざるを得なくなったのは、太陽光が急拡大したからだ。5年前と比べて6割ほど増え、この1年だけでも原発1基分に迫る約90万キロワットが上積みされている。
出力制御は、太陽光の導入が…
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