シリアのアラブ連盟復帰なぜ 批判から関与へ アサド氏の参加も容認
内戦への対応で国際的に孤立していた中東のシリアに対し、地域機構のアラブ連盟が7日、連盟への復帰を12年ぶりに認めた。反体制派への武力弾圧を機に2011年から参加資格を停止していたが、アサド政権が軍事的優位を確立したことや、米国が中東への関与を減らす中、地域の安定を図りたい各国の思惑が背景にある。
ロイター通信などによると、復帰はカイロであった非公開の外相会談で承認された。加盟国からは全面的な賛成や条件付きの賛成の意見が出たという。
連盟の発表では、シリア政府の代表団は7日付で連盟の会議に参加が可能▽シリアの主権、領土の一体性の維持やアラブ諸国による内戦終結の努力を推進▽難民の帰還問題やシリアからの麻薬密輸へ対処すること、などが決まった。
19日にはサウジアラビアで連盟の首脳会議が開かれる予定で、衛星放送局アルジャジーラは、連盟のアブルゲイト事務局長が、アサド大統領が望めば参加は可能だと発言したと伝えた。
ただ、アサド政権との関係修復について連盟は必ずしも一枚岩ではないようだ。AP通信によると、7日の会談に出席したのは加盟21カ国1機構のうち13人の外相で、カタールなどは欠席した。
カタールの国営通信は、外務…
- 【解説】
すでにロシアの仲介でシリアとサウジの関係は正常化しており、アラブ連盟への復帰も時間の問題であった。サウジはイエメン内戦への関与を減らし、その流れでイランとの関係を中国の仲介で正常化させ、さらにはロシアとの関係も深めている。まさに、サウジはア
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