「なぜ担任いないんですか」 足りない小学校教諭、1人で70人授業

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武田啓亮 編集委員・氏岡真弓

 教員が産育休、病休などで学校を離れても、その穴を埋める代役の教員が確保できない――。各地の公立学校で「教員不足」が問題になっている。担任が不在で自習にせざるを得ない事態も起きており、子どもの学習への影響を心配する声が出ている。

 4月の始業式。首都圏のある公立小学校では、低学年の1学級の正式な担任の名前を発表できなかった。病気で休む教員らの代役が見つからなかったためだ。

 この学級の授業を担ったのは、専科の教員や、通常は授業をもたない教頭。やむをえず自習にする時間もあった。

 隣の学級で担任を務める教員は、授業をしながら、担任不在で自習となっている隣の教室の様子に耳を澄ました。

 「とにかく1時間、問題を起こさずにいて、とハラハラしていた」と言う。

 教員の一人は、自身の学級と担任不在の学級の計約70人の児童を相手に、まとめて体育の授業をした日もあった。

 「人数が多くて指示が全ての子どもに届かず、校庭の鉄棒で遊ぶ子がいても、そのままにするしかなかった」

 2週間ほどで代わりの講師が配置され、当面の欠員は解消したが、ある教員は「年度途中で欠員が生じる可能性もある。子どもへの影響が心配だ」と話す。

「壊れるまでやるしかない」が合言葉

 千葉県内のある市立小学校は…

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この記事を書いた人
氏岡真弓
編集委員|教育分野担当
専門・関心分野
教員の働く環境、教員不足、子どもの学び