完成間近のリニア中央新幹線高架橋を公開

三宅範和
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 農地と住宅が入り交じったのどかな風景にはいささか不似合いな、3本脚の巨大なコンクリート製の構造物がそそり立つ。将来はリニアモーターカーが走るリニア中央新幹線の高架橋の建設現場だ。山梨県富士川町の利根川公園の上を交差する長さ約76メートル分の高架橋がほぼ完成し、JR東海が30日、報道各社や地元住民に公開した。

 高架橋は高さ約21メートル、幅約16メートル。約38メートル間隔で3本の橋脚が橋桁を支える。両端はどちら側もまだ先へつながっておらず、孤立したような状態だ。高架橋の上からは、足元に広がる甲府盆地が見渡せる。運転開始時には、上部は防音防災対策のフードで覆われ、車窓から景色は見えなくなる。

 2020年7月に着工した。建設用地の確保などに地元の協力が得られ、先行して工事を進めていた。JR東海・山梨東工事事務所の中川隆広所長は「まだ(ほぼ完成したのは)3橋脚分。気を引き締めて早期開業に向け、全力で取り組んでいきたい」と話した。

 地元住民は22人が参加。近くに住む深沢文彦さん(71)と秋山勉さん(66)は「思った以上に高くて、景色が良かった。集落内には工事のために立ち退かなければならない人もおり、JR東海には説明を丁寧にしてほしい。早く開業して、自分たちもリニアに乗りたい」と声をそろえた。(三宅範和)

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