次世代型路面電車「LRT」は8月26日開業へ 宇都宮市と芳賀町

高橋淳
[PR]

 【栃木】宇都宮市と芳賀町が計画を進める次世代型路面電車「LRT」(ライト・レール・トランジット)について、両市町が8月26日に開業する方針を固めたことが31日、市関係者への取材でわかった。JR宇都宮駅東口から、芳賀・高根沢工業団地までの14・6キロを約44分(快速は約38分)で結ぶ新交通手段が動き出す。

 LRTは、道路上に延びた軌道敷を走る電動の路面電車。騒音や振動が少なく、「低床式車両」で乗降の際の段差が少ないことなどが特徴だ。1編成3両で運行する。

 市などは当初、2022年3月の開業を予定していた。だが、用地取得や工事の遅れで2度の延期があり、今年8月中の開業を目指して調整を進めていた。昨年11月には宇都宮駅東口付近を試運転中に脱線事故が発生。さらなる延期も懸念されたが、市などが軌道の安全対策工事とそれに伴う試験走行を繰り返し、専門家でつくる有識者会議が安全性を確認したという。

 主要な停留所の付近には車やバス、自転車との乗り換えが可能なトランジットセンターも整備された。将来的には宇都宮駅西口側ルートも整備し、県教育会館付近までの区間については30年代前半の開業を目指す。市にとっては数十年来の構想だが、約684億円の多額の事業費や営業赤字など財政への懸念から市民の反対意見もある。

 市と町、運行会社の宇都宮ライトレールは6月2日に合同記者会見を開き、正式に開業を発表する。(高橋淳)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません