常識外れの新戦法「嬉野流」が升田幸三賞 「腕力で定跡将棋を倒す」

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村瀬信也

 常識外れの「初手▲6八銀」から始まる新戦法「嬉野(うれしの)流」が、独創性が評価の対象となる升田幸三賞を受賞した。創案したのはアマチュア強豪の嬉野宏明さん(48)。「誰もやっていない腕力将棋で定跡将棋を倒してやろう」。そんな「野望」から生み出された嬉野流は、どんな戦法なのか。なぜ広まったのか。村瀬信也

一見、破天荒に思える「嬉野流」ですが、今やプロも採用する戦法に。関西のベテラン井上慶太九段は、自身の弟子や、あの兄弟子との対局でも指したそうです。

 将棋の初手で多いのは、飛車…

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    村瀬信也
    (朝日新聞記者=文化、将棋)
    2023年4月26日11時7分 投稿
    【視点】

    嬉野流の本を書いた天野貴元さんは元奨励会三段で、プロ入りまで「あと一歩」にまで迫った実力の持ち主でした。アマ大会で全国優勝するなど活躍しましたが、並行してがんと闘い、本を出した2015年に亡くなりました。 私も朝日アマ名人戦全国大会に出場

    …続きを読む