「復興のシンボルに期待」 福島・双葉に工場やカフェが本格オープン

 東京電力福島第一原発が立地し、昨夏まで全町民が避難していた福島県双葉町で、撚糸(ねんし)製造・タオル販売会社「浅野撚糸」(岐阜県安八町)の工場やタオルショップ、カフェを併設した複合施設が本格オープンした。22日に施設であった式典には双葉町の伊沢史朗町長や渡辺博道復興相らが出席し、門出を祝った。

 式典後の報道陣の取材に、浅野雅己社長は「視察から今日までの4年間は、1冊の本を書けるぐらい町長と語り、構想を練った」と振り返り、「ここで事業を成功させることが一番、町民に喜んでもらえると思う。本業に徹底的に専念したい」と決意を語った。伊沢町長は「常磐道から来ると、浅野撚糸の工場は産業団地の玄関口にあり、デザイン性も優れている。双葉の復興のシンボルになると期待している」と話した。

 浅野撚糸は1969年創業。同社の特許技術による特殊な糸「スーパーゼロ」でつくったタオルが大ヒットし、年商は約20億円。福島大出身の浅野社長が2019年に町内を視察し、進出を決めた。国の財政支援も受け、施設の建設や設備導入に投じた事業費は30億円。カフェやタオルのショップも含め、21人が働く。約3千平方メートルの工場で「スーパーゼロ」を年500トン生産するという…

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