ChatGPTの急拡大「新技術の練習問題に」 阪大が課題を整理
対話型AI(人工知能)「ChatGPT(チャットGPT)」などの生成AIの活用が急速に広がっている。どのように使いこなし、制限をかけるべきなのはどんな場合か。そんなつきあい方を考えるための基礎資料として使ってもらおうと、大阪大社会技術共創研究センターの岸本充生教授らが倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の論点をまとめた。
生成AIは、大量のデータを学習して、入力される指示に応じて、文章や画像などを出力する。技術の進歩が速く、急速に普及しているが、情報の偏りや誤りも指摘され、活用法は手探りだ。
新しい技術が社会に導入される時には、これまでのルールに合っていなかったり、そもそもルールがなかったりすることも多く、ELSIの観点からさまざまな議論がおこる。グループは、生成AIを開発している企業の公開情報、研究者による査読前の論文、報道情報などを集めて、技術の動向やELSIの論点について整理した。
たとえば、指摘されているリスクとして、AIの学習に使われる画像が、著作権で保護されたコンテンツを多数含んでいることや、人種やジェンダーなどのバイアス(偏見)が再生産されることがある。生成AIがつくったコンテンツが別の生成AIに利用されると、誤情報が固定化される可能性が高まる。洗練された巧妙なメールによる詐欺の増加など悪用のおそれや、信頼が増すことで今度は過剰な異存につながるリスクも指摘されている。
教育、司法、医療などの分野でどのような反応を示しているのかについてもまとめた。
たとえば、教育分野では、スタンフォード大が実施した学生アンケートで、回答した4497人のうち、17%が課題や試験の支援でチャットGPTを使い、6割はアイデア形成などに利用していた。マーケティング分野では、プレスリリースを含む文章作成にチャットGPTを使うと作業時間が10分程度短縮するという報告もあるという。
技術開発が急速に進み、規制を含む社会の対応もめまぐるしく動いているので、3月末時点での情報をまとめた。状況は変化する可能性が高いとした。大阪大はこの報告を参考に、生成AIの利用についてのガイドラインを定めた。
「チャットGPTに限らず、次々と新技術は登場する。そういう際に極端に走らず、冷静に受け止めるにはどうしたらいいか。今回は練習問題と考えられる」と岸本さんは話している。
報告は、大阪大のウェブサイト(https://elsi.osaka-u.ac.jp/research/2120)で読める…
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- 【視点】
チャットGPTをどう使うかについては各大学で指針や報告が出ています. いずれも,チャットGPTは有用なツールである.一方様々な問題もある.しかし一律に利用を停止すべきではない.状況の変化を捉えつつ柔軟に対応していく. といった内容になってい
…続きを読む