陥没事故乗り越えて、博多駅から出発進行 福岡市営七隈線延伸が開業

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板倉大地 椎木慎太郎
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 九州一のターミナル駅・博多と繁華街・天神を結ぶ福岡市営地下鉄七隈線の延伸区間(天神南―博多)が27日に開業した。地元では、利便性の向上や経済効果を期待する声があがる。一方、陥没事故などで膨らむ事業費や、新型コロナ禍による利用客の減少など、課題は山積している。

 27日午前5時半、博多駅から一番列車が発車した。先頭車両はぎゅうぎゅうの満員、ホームはスマホを掲げる人であふれた。警笛を鳴らし、走り出すとホームから拍手がわき起こった。

 同市中央区の会社員江見晃一朗さん(26)は午前5時に駆けつけたが、すでに70人以上が並んでいた。中学生の頃から延伸に関心をもっていた。「博多駅までのアクセスが便利になる。待ったかいがあった」と話した。

 2005年開業の同線は市西南部と天神を結ぶが、博多駅には天神で空港線に乗り換える必要があった。延伸により移動時間は約14分短縮される。博多区の会社員手嶋次郎さん(48)は一番列車に乗るため午前2時に起きた。「最寄り駅から家族でよく遊びに行く六本松まで地下鉄で行けるようになる。車の駐車を気にせず、カフェ巡りを楽しめる」と喜んだ。

 民間シンクタンクの九州経済調査協会の渡辺隼矢研究員は「人の流れが増加し、滞在時間も増えれば中心市街地は更ににぎわう」と経済や観光面での効果を指摘する。

 延伸区間ではすでに建物の新…

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