「世界の分断を悪化させない」 世界10カ国のシンクタンクが議論

日高奈緒
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 世界10カ国のシンクタンクがグローバルな課題について論じる「東京会議」の公開フォーラムが24日、東京都内で開かれ、ロシアによるウクライナ侵攻や、民主主義の修復などをテーマに議論した。

 NPO法人「言論NPO」が主催した同フォーラムには、国連人権高等弁務官を務めたメアリー・ロビンソン元アイルランド大統領ら海外の要人や、欧米やシンガポールブラジル、インドなどのシンクタンクの代表らが登壇した。

 ウクライナ侵攻についてのセッションでは、ドイツ国際政治安全保障研究所ディレクターのステファン・マイヤー氏が、最近は「トップニュースからウクライナの話題が少なくなってきている」と、欧州での「戦争疲れ」に懸念を表明。他の登壇者からは、停戦に向けて「グローバルサウス」など欧米以外の国々を仲介者とするべきだという意見や、ロシアのプーチン大統領が国内での求心力を失えば、侵攻を続ける意思が弱まるのではないかといった分析が披露された。

 フォーラムの最後に、5月に広島で開かれる主要7カ国首脳会議G7サミット)に向けた提言を発表。「世界の分断をこれ以上、悪化させないこと」を目指し、ウクライナ侵攻を「領土の一体性の原則を維持する形で、正当かつ公平に一刻も早く終結させ」ることを求めた。

 提言はまた、民主主義国が「自国の民主制度を鍛え直し、その有用性を高め」ることや、対立を拡大させるのではなく「世界が抱える問題を解決しようとする国々と連携しなくてはならない」とも訴えた。日高奈緒

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