岸田首相とゼレンスキー大統領が共同会見 日本から装備品供与を表明
ウクライナ訪問中の岸田文雄首相は21日、首都キーウでゼレンスキー大統領と初めて対面で会談した。会談後の記者会見で岸田氏は、殺傷能力のない装備品の支援を新たに表明。ゼレンスキー氏は5月のG7(主要7カ国)広島サミットにオンラインで参加する意向を示した。
岸田氏は会見で、広島サミットの開催前に「(ゼレンスキー氏と)直接、お話をし、日本の揺るぎない連帯をお伝えしたいと強く願っていた」と説明。「ロシアのウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙」とし、今回のウクライナ訪問で「このことを改めて強く感じている」と述べた。また、「唯一の戦争被爆国の我が国として、ロシアの核兵器による威嚇は受け入れられない」と強調した。
岸田氏は北大西洋条約機構(NATO)の基金を通じて、ウクライナに殺傷能力のない装備品3千万ドル(40億円)分を供与する考えを明らかにした。さらに、両国関係を「特別なグローバル・パートナーシップ」に格上げすることで合意したという。
ゼレンスキー氏は岸田氏の訪問について、「日本がG7の議長国、国連安全保障理事会の非常任理事国として活動するなかで実現したことをとてもうれしく思う」と述べた。また、日本のこれまでの支援に繰り返し謝意を示し、「ルールに基づいた国際秩序に対する投資と考えている」と語った。
会見では、ゼレンスキー氏が岸田氏を「フミオ」と呼ぶ場面もあった。