東北が「ペッパー・ミル」パフォーマンス 審判から注意、監督は反論

藤田絢子
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 (18日、第95回選抜高校野球大会1回戦 山梨学院3―1宮城・東北)

 東北の佐藤洋(ひろし)監督(60)が試合後の取材で、一回に選手が塁上で行った「ペッパーミル・パフォーマンス」について審判から注意を受けたと明かした上で、「これだけ日本の野球界がペッパーミルで盛り上がっている。なんで、子どもたちが楽しんでいる野球を大人が止めるのか。そういうところは変えたほうがいい」と疑問を呈した。

 ペッパーミル・パフォーマンスは、開催中のワールド・ベースボール・クラシックWBC)で日本代表のラーズ・ヌートバー(カージナルス)が見せたコショウひきをひねる動作のこと。ヌートバー以外の選手も行うなど流行している。

 一回、東北の先頭打者が遊撃手の失策で出塁した際、一塁上でこのパフォーマンスをしたところ、ベンチに駆け寄った一塁塁審から、しないように注意されたという。

 佐藤監督はプロ野球巨人でのプレー経験があり、昨年8月から母校の監督に就いた。「脱スパルタ」を掲げ、髪形は自由にし、短パンを認めるなど練習着も自由にしている。

 佐藤監督は報道陣に対し「僕は(注意には)大反対。もう少し子どもたちが自由に野球を楽しむということを考えてもらいたい」と語った。

 大会本部は、「高校野球としては、不要なパフォーマンスやジェスチャーは、従来慎むようお願いしてきました。試合を楽しみたいという選手の気持ちは理解できますが、プレーで楽しんでほしいというのが当連盟の考え方です」との日本高校野球連盟のコメントを発表した。(藤田絢子)

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    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2023年3月19日9時48分 投稿
    【視点】

    この問題は、「スポーツ」が抱える矛盾に端を発していそうです。 "sport"にはもともと、"pastime"(気晴らし)や"entertainment(娯楽)"という意味がありますが、これが教育に取り入れられた際、人格形成の手段として

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2023年3月20日10時20分 投稿
    【視点】

    高野連の主語は自分たち。佐藤洋監督は選手。高野連は「こうあってほしい」で、佐藤監督は「子どもたちがどうありたいか」を尊重しています。 つまり「高校球児と甲子園」を自分たちの「こうありたい」に基づいたものにし、「体育」の価値観にはめ込みたい

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