ドラマで伝える沖縄の現実 普天間出身者と元記者が企画「フェンス」

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平賀拓史

 ドラマの力を通して、沖縄の現実を伝えたい――。基地問題や性暴力事件を真正面から描く連続ドラマ「フェンス」(WOWOW、19日放送開始)を、元NHK記者と普天間出身者の2人のプロデューサーが企画した。訴えたかったこと、そして登場人物の多くを新垣結衣さんら沖縄出身者が演じることにこだわったわけは。

 「フェンス」を企画したのは、WOWOWの高江洲(たかえす)義貴さん(35)とNHKエンタープライズの北野拓さん(36)だ。

 高江洲さんは、米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市出身。フェンスで囲まれた基地の間近にある小学校に通い、ヘリの爆音が響く日常で育った。

 大学進学で上京し、基地もヘリもない環境に衝撃を受けた。「周りの友だちも沖縄のことを全然知らなかった」。映像制作を学んだ大学の卒業制作では、沖縄を題材にした映画を作った。卒業後、制作会社勤務などを経て、WOWOWに入社。「『癒やしの島』というイメージとは違う沖縄のリアルを撮りたい」という思いを持ち続けていたという。

 「沖縄を題材にした作品を作りたい人がいる」。2年前、大学時代の友人から紹介され、北野さんに出会った。

 「沖縄のドラマ、野木さんでやりませんか」

高江洲さんと元記者のプロデューサー・北野さんの出会いで、企画は大きく動き出しました。沖縄での取材の中で見えたものとは。

 北野さんが持ちかけた企画の…

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