クレディスイス株20%急落 米銀破綻、欧州にも信用不安広がる

ハンブルク=和気真也 ニューヨーク=真海喬生
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 スイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株価が15日、欧州株式市場で一時、前日比20%超下落した。米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻(はたん)を受けて欧州でも投資家の警戒感が強まるなか、クレディへの追加投資をめぐり筆頭株主が否定的な姿勢を見せたと報じられ、急落につながった。

 クレディは14日、過去の財務報告に「重大な弱点」があったと開示し、経営不安を呼んでいた。15日には筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクが追加投資を否定したと米ブルームバーグが報じ、拍車をかけた。

 影響は金融市場全体に及び、15日のニューヨーク株式市場で、主要企業でつくるダウ工業株平均が一時、500ドル超下落した。特に金融株を警戒する動きが強く、前日は反発した米銀行株は15日に再び大きく下落している。

 投資家は、資金を株式から比較的リスクの低い債券に動かしており、米国の金利が低下。ドル売り円買いが広がり、対ドル円相場は一時、1ドル=132円台前半まで円高ドル安が進んだ。景気減速で需要が減るとの見方から、原油価格は大きく下落。米ニューヨーク商業取引所では、国際指標の「米国産WTI原油」の先物価格が一時、約1年3カ月ぶりに1バレル=70ドルを割り込んだ。(ハンブルク=和気真也、ニューヨーク=真海喬生)

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