異次元緩和の「負の遺産」にも反省なし 黒田日銀の「失敗の本質」

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編集委員・原真人

 10年間たまりにたまった異次元緩和のうみを出していく試みも、機能不全に陥っている金融政策の立て直しも、4月以降、そのまま次期総裁になる植田和男氏の体制に引き継がれることになった。

 黒田東彦(はるひこ)総裁のもとで日本銀行が開く最後の定例の金融政策決定会合(年8回開催、メンバーは総裁以下9人)が10日開かれ、現在の大規模な金融緩和を維持することが決まった。黒田氏は4月8日で日銀を去る。

 10年前、就任早々「2年間で2%インフレ目標を達成する」と華々しく打ち上げた黒田総裁。だが結局、2期10年をかけても目標を達成することはできなかった。短期決戦のはずの異次元緩和はいつしか10年の長期戦となり、いまも「出口」が見えないほど泥沼化している。

 この間、黒田日銀が買い上げ…

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