中間市の中学生たち、被災者から学び「防災アクション10」作成

城真弓
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 福岡県中間市の市立中間南中学校の2年生が、東日本大震災の被災者らから学び、「中学生ができる防災アクション10」をつくった。災害時にどう行動するか、防災のために何をするかといった行動指針を、クラスごとに10項目にまとめている。

 2年生は3クラスで計約100人。昨年秋から、総合学習などの時間を活用して、東日本大震災や阪神・淡路大震災の被災者にオンラインで話を聞くなどしてきた。11月の修学旅行は神戸へ行き、防災などについて学んだ。

 防災アクションでは、「ハザードマップを定期的に確認する」「避難場所や避難経路を確認しておく」「避難訓練を真面目に行う」「慌てず落ち着いて行動する」といったことを挙げている。

 3組では「避難所での生活環境の確保」という項目を入れた。東日本大震災の被災者から、避難所でのプライバシー確保に課題があると聞いたからだ。古場千尋さんは「知らないこともたくさんあった。自分たちが被災した時にどうしたらいいか考えるきっかけになった」と話す。

 2組の行正汰鋳騎(たいき)さんは、インターネットで情報収集するなかで、災害時は誤った情報に振り回される例があることを知った。こうしたことから2組は「正しい情報かを判断し、誤った情報を流しません」と掲げている。

 2月には宮城県石巻市の「石巻震災伝承の会」代表理事、大須武則さんから助言を受けた。アクションについて「すばらしいと思う」と評価された一方で、「ハザードマップだけでは想定外のこともある」などと指摘された。被害を語り継ぐ継承の大切さも教わった。

 中学生がつくった行動指針は、中間市の防災計画に掲載される予定。また、アクションには入れていなくても、生徒たちは大事なことをたくさん学んだ。2組の吉村緋奈乃さんは遺族の思いを聞き、何げない日常がいかに大切かを痛感したという。「明日、突然何か起こって家族が亡くなることもある。後悔が残らないよう、普段から『ありがとう』と伝えることを心がけるようになった」と話した。(城真弓)

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