台湾のシリコンバレー歩いてみた TSMCで熊本もこう変わる?
大貫聡子
世界最大の半導体受託製造会社「台湾積体電路製造(TSMC)」が熊本にやってくる。工場進出で地域はどう変わるのか。1月、TSMCを育んだ台湾の新竹サイエンスパークや工場が立つ台南を歩いた。
TSMC本社は台北から新幹線にあたる高速鉄道(高鉄)に乗って約35分。ローカル線の台湾鉄道(台鉄)でなら約1時間半の新竹という地方都市にある。
日本統治下の1913年に建てられたというレトロな台鉄新竹駅前からタクシーに乗り、運転手に「TSMCに行きたい」と伝えると、けげんそうな表情で「TSMCの工場はたくさんあるんですが、どこに行きたいんですか?」と聞き返された。
車窓から見るTSMCは想像以上に巨大だった。行けども行けども、TSMCの赤いロゴがついた巨大な薄いグレーの工場が続く。
「ここがモリス・チャンビルディングですよ」。そう言われて着いたのが、創業者の張忠謀(モリスチャン)氏の名前を冠した本社だった。
1987年に創業したTSM…
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