「釜石祈りのパーク」で中学生らが芳名板を清掃 「曽祖母の名だ」

東野真和
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 【岩手】東日本大震災から12年を迎えるのを前に、釜石市民の慰霊追悼施設「釜石祈りのパーク」の清掃作業が、8日行われた。

 近くの住民が毎年、関連死を含む1002人の芳名板や石畳の洗浄などをしている。今年は釜石東中学校の3年生35人も参加し、芳名板を布で磨いた。「初めて来た」という生徒も多く、曽祖母の名を見つけた女子生徒は「小さい時の記憶だけど覚えています」と丁寧に磨いていた。

 作業後、生徒たちは施設前に並び、震災を経て希望ある未来に向かおうとする同校生の思いを歌にした「いつかこの海をこえて」を合唱した。

 毎年参加している藤原正敏さん(78)は震災時、津波から屋根の上に逃げて九死に一生を得たが、兄を亡くした。「12年経っても気持ちは変わらない」と芳名板に刻まれた兄の名をみながらつぶやいた。東野真和

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