地域の図書館、その進化 鳥取はビジネス支援、礼文では書店併設

有料記事地方季評

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地方季評 田中輝美

 最近、図書館に足を運んだことがあるだろうか。「本はあまり読まない」「自分には関係ない施設」と思っている人にこそ、耳を傾けてほしい。今、図書館が大きく変化、もっと言えば、進化しているのだ。

 もともと図書館は、開放された「知のネットワーク」の一端を担う存在だ。特に地方では、その地方ならではの資料が集まって先人の知恵や歴史が蓄積されていく、ローカリティーの拠点でもあった。私自身も地方紙の新人記者だったころ、社宅の近くにあった島根県立図書館に週末ごとに通って県の風土や歴史に関する本を読みあさった。その後も新しい分野の担当になれば必ず駆け込み、その分野の本をまずは10冊借りて基礎知識を付けるのが習慣になっていた。

 変化のきっかけは、1990年代後半、米ニューヨーク公共図書館による起業や商品開発、技術開発などへの手厚いビジネス支援が日本で紹介されたことだと言われている。2000年に国内で「ビジネス支援図書館推進協議会」が発足して流れが加速した。その後も個人の課題解決の後押しなどに幅が広がっている。

 その代表格とも言えるのが…

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