客室乗務員だった私、今は夜も介護が必要 でも「最も幸せ」と思える

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黒田陸離
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 一人では起き上がることも食べることもできない。朝から夜中まで訪問ヘルパーによる重度介護が必要だ。それでも西本理恵さん(62)=広島市安佐南区=はバリアフリーを中心にコンサルティングなどを担う会社を立ち上げ、「満足度は今が人生の中で最高」と話す。

 かつては世界各国を飛び回る客室乗務員だった。だが20代後半になって、身体に異変を感じた。窓際の客に機内食を渡そうと腕を伸ばす時、手首に痛みが走る。次第に痛みは全身に広がり、動けなくなった。免疫が暴走して関節が壊されていく関節リウマチ。原因は不明で、当時は症状を和らげる薬もわからなかった。

 離婚、休職、入院生活と続いた。「この苦しさは私にしかわからないんじゃないか」。社会に感じる壁は分厚くなっていった。ひざに人工関節を入れ、両手で杖をつきながら地上職として復帰したが、不安は増すばかりだった。長い横断歩道では「ここで車にはねられてもしょうがない」と思うこともあった。35歳で退職し、広島の実家にひきこもった。症状は進行し、起き上がることもできなくなった。

 そんななか、介護を担ってく…

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