再エネ森林開発の県独自課税 利益の2~3割程度 6月議会で提案へ

根津弥
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 宮城県は17日、検討を進めている再生可能エネルギーの独自課税について、森林に再エネ施設を新設する事業者に対し、営業利益の20~30%程度に相当する税を課す方針を公表した。大規模な森林開発を抑制する狙いで、県議会6月定例会での条例案提出をめざす。

 この日開かれた有識者の会議で、県が素案として示した。再エネ事業に関し、開発する場所に応じて課税する全国初の試みで、農地や沿岸部に施設を誘導することを目的とする。

 素案によると、対象となるのは太陽光、風力、バイオマスの3種類。水力と地熱は設置できる場所が限られるため対象外とした。森林の開発面積が0・5ヘクタールを超えた場合に税を課し、施設の所有者から毎年度徴収する。課税額は施設の発電出力に基づいて算出し、営業利益の20~30%程度になるように設定する。

 県は条例の施行時点で施設が稼働していたり、着工していたりする事業は課税の対象外とする方針だ。そのうえで、県は林地開発許可の手続き状況などから、県内で計画が明らかになっている41事業が、課税の対象になる可能性があると想定している。

 国は改正地球温暖化対策推進法で、市町村に再エネ事業の「促進区域」を定めるよう求めている。そのため、市町村が森林を促進区域にした場合、県はその区域内で認められた再エネ事業に関して課税の対象外とする。

 この日の会議で専門家からは、課税額について「目的を考えると厳しい水準を設定せざるを得ない」という意見が出た一方、「税にあまり規制的な役割を担わせるのは賛成できない」とする意見もあった。

 県は今後も有識者による検討を重ね、3月までにパブリックコメントの募集を始める予定だという。(根津弥)

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