福岡のTBS系、サケ養殖に参入 新規事業「これで終わりじゃない」

小川裕介
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 RKB毎日ホールディングス(HD、福岡市)は、サーモンの陸上養殖事業に乗り出す。17日、進出する福岡県宗像(むなかた)市と立地協定を結んだ。同社はテレビやラジオの放送事業が中核の持ち株会社だが、新規事業で経営基盤の安定を図る。

 同社は、日本海側の玄界灘に注ぐ河口近くの約1万8千平方メートルを取得し、約5千平方メートルの養殖場を建てる。西日本最大級という。4月に、運営する100%出資の子会社を設立。来年夏ごろから、年間500トンを目標にトラウトサーモンの生産を始める。地下水をくみ上げて用いるという。

 同社は経営の安定をめざし、農業などの新規事業を模索してきた。サーモンの養殖事業を選んだ理由について、担当者は「サーモンは効率が良く、環境負荷がかからない。農産品より工業品に近く、安定的に供給できる」と説明する。養殖に適した地下水や平らな土地、交通アクセスの良さから宗像市を選んだという。

 記者会見した同社の井上良次社長は新規事業について「これで終わりではない」と説明。「放送を中心とした事業は我々にとって使命。これをやるために、体力的に安定した企業体である必要がある。これから先もチャレンジしていきたい」と話した。

 RKB毎日放送は九州では初の民間放送局として1951年に開局し、2016年に持ち株会社のRKB毎日HDに移行した。主にTBS系の番組を放送している。(小川裕介)

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