「偽の針」でチクッと攻撃 「オスは刺さない」の常識覆すハチがいた
刺すハチは、メスだけ。オスは刺さない――。そんな常識を覆すハチの仲間がいることを、神戸大のグループが見つけた。オスなのに、お尻の先にあるトゲで敵を攻撃し、身を守っているらしい。
ハチのお尻の先にある毒針は、産卵管が変化したものなので、メスにしかない。
スズメバチやミツバチのオスは、見た目はメスによく似ていて、体を丸めて腹部を敵に押しつける「刺しまね」と呼ばれる行動もする。ただ実際には、オスのお尻に毒針はない。刺しまねは、単にメスのふりをして敵を勘違いさせて身を守る効果しかないと思われてきた。
この常識を覆したのは、「オデコフタオビドロバチ」というハチだ。成虫は体長2センチほど。竹筒などに卵を産み、体を動けなくしたイモムシをそこに入れて、泥でふたをする。幼虫はイモムシを食べて育つ。
オスはお尻から、一対のトゲを出し入れできる。この「偽の針」で敵を刺す。杉浦真治准教授(生態学)の研究室にいる学生が、この針で刺されて痛みを感じた経験があった。
偽の針が身を守るのに役立っているのか調べるため、ニホンアマガエルにオスのハチを与える実験をした。
17回試したうち、カエルがハチを食べるのに成功したのは11回。残る6回は、カエルはハチを口の中に入れたが、途中で諦めて吐き出した。このとき、ハチは偽の針や大あごでカエルを攻撃していた。
偽の針を取り除いたオスをカ…
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