ゲラシモフ氏を驚かせた日本戦車、ウクライナが与える自衛隊への教訓

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牧野愛博

 ロシアがウクライナに侵攻して24日で1年になる。日本の自衛隊関係者も連日、この戦いの様子を注視している。ロシア軍のゲラシモフ参謀総長が6年前、陸上自衛隊の戦車射撃を視察し、驚嘆したこともあった。ウクライナを巡る戦いは、自衛隊にどのような教訓を投げかけているのか。

 ゲラシモフ氏は2017年12月、河野克俊統合幕僚長(当時)との防衛交流で来日した。ゲラシモフ氏は戦車職種出身だったため、日本の戦車射撃の視察を希望した。東富士演習場で90式と10式の両戦車、16式機動戦闘車の射撃を視察した。

 自衛隊関係者によれば、ゲラシモフ氏は最初、「こんなに軽い日本の戦車が120ミリ砲を搭載できるのか」と言っていたが、90式や10式の正確な射撃をみて驚いていた。戦車の速度や弾薬の種類、国産かどうかなどを熱心に質問していたという。同時に、最後に「我々にも素晴らしい戦車がある」と自信たっぷりに語ってもいた。ロシア軍の最新鋭主力戦車T14が念頭にあったようだ。

 ロシアはウクライナにT72やT90などの戦車を投入。英米独など西側諸国も1月、主力戦車をウクライナに提供することを決めた。こうした戦車と自衛隊の保有する戦車の違いはどこにあるのか。

陸自の戦車とドイツ軍戦車との違いは

 自衛隊の元幹部は「性能その…

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