ロッテ、ブロックチェーンでカカオの児童労働チェック強める実証実験

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編集委員・北郷美由紀
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 チョコレート原料のカカオ豆の産地で学校に通わず働くような子どもを減らしていくため、ロッテは、より児童労働を見つけやすくする実証実験をガーナで始める。集荷された豆と、現地のNPOが提供する生産農家の児童労働リスクの情報を、データが偽造しづらいブロックチェーン技術で結びつけて管理。どんな農家が生産した豆かを「見える化」して、改善の糸口を広げたい考えだ。

 国連機関の推計では、全世界の5~17歳の10人に1人にあたる約1億6千万人が、貧困などを背景に大人のように働いている。教育を受けられないだけでなく、危険・過酷な労働や人身売買も少なくないとされ、国連のSDGs(持続可能な開発目標)では、2025年までにあらゆる児童労働をなくそうと呼びかけている。

 児童労働は半数がアフリカで、7割が農業に従事している。カカオ豆の生産で世界1位のコートジボワール、2位のガーナでも児童労働が大きな課題となっている。日本が輸入するカカオ豆の8割はガーナ産で、生産現場には約77万人の児童労働があるとも指摘される。ロッテも生豆の8割をガーナから輸入する。

 ロッテはこれまでも、NPOが児童労働の監視や就学支援を行う地域から、費用が上乗せされた割高な豆を仕入れてきた。しかし、流通経路が複雑で現場の電子化も進んでおらず、仕入れた豆が児童労働を伴っていないか確認しきれないため、より実効性の高い仕組みに向けて取り組むことにした。

 現地に展開する三井物産などの商社と連携して行う実証実験では、集荷された豆に、20~50戸の農家コミュニティーごとのIDを付けて専用倉庫で管理。その豆の情報と、現場で監視するNPOから寄せられた児童労働に関する情報をブロックチェーン上で結びつけ、リスクを洗い出す。児童労働が見つかれば、NPOなどを通じて子どもの就学支援などの改善を進めていくという。

 ブロックチェーンは暗号資産…

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