卒業式のマスク「外すのが基本」 方針に不安の声「抵抗ある子も」
「マスクを外すことを基本とする」。学校の卒業式をめぐり、永岡桂子文部科学相が10日に記者会見し、そんな方針を各地の教育委員会に通知したと発表した。保護者や教員からは歓迎や困惑など様々な声があがった。
永岡文科相は会見で、換気などの感染症対策を施したうえで、式典全体を通じて児童生徒・教職員ともマスクを外すことを基本とし、歌を歌う場面では着用する、との方針を説明。来賓や保護者についてはマスク着用を求め、座席間の距離をとったうえで、参加人数は制限しない、とした。
文科相「外すこと強制するわけではない」
こうした方針を示すに至った理由については、厚生労働省に助言する専門家組織が「着用しないことも考慮されうる」との見解を8日に示したことを挙げ、「卒業式は感染リスクが他の学校活動より低い」「今年卒業する子どもたちは学校生活の大半をコロナ禍のもとで過ごしてきた」ことを踏まえたと説明した。一方、基礎疾患があるなどの事情で着用を希望する子どももいるとして、学校や教職員が着脱を強いることがないよう求めた。
ただ、今回の方針は子どもたちの間に「マスクを外さなければならない」との同調圧力を生む懸念もある。永岡文科相は「指針として示したが、感染が心配な人がマスクをして出席することは誰もとがめない。(外すことを)強制するわけではないので、個人の判断でつけるつけないというのを決めていただく」と強調。同調圧力が生じないような指導を学校現場に求めた。
記事の後半では、歓迎しつつも感染を恐れる保護者の思いや、対応に追われる学校の様子や養護教諭の思いを紹介しています。
「写真残せる」歓迎だけど…保護者の複雑な思い
「しゃべらない場面で外せる…
- 【視点】
記事の後半にある学校現場の保護者からの異論を怖がる様子がとても印象的だ。「急に緩和を打ち出せば、どう対応しても保護者から様々な意見が届き、現場は対応に追われ、教師の負担がまた増える」という。そうした反応を見ると、学校現場の判断でマスクの取扱
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