ChatGPTは「実験の途中成果」 AI研究者が指摘する懸念
人工知能(AI)を開発する米新興企業オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」に注目が集まっています。AI研究者で、自身も対話型AIなどに関する発信を続ける清水亮氏は「チャットGPTは実験の途中成果で、(最終的な)答えではない」と指摘します。チャットGPTの躍進をどう捉えればいいか。清水氏に聞きました。
――チャットGPTをどう評価していますか。
「専門的に見ると、そこまで大きなブレークスルーがあったわけではありません。ただ、ユーザーインターフェース(UI)を一般の人も触れるようなレベルまで持ってきたことで、どこまでのことができるのか、一般の人も想像しやすくなった。それが一番大きな特徴です。今はまだ、ちょっとマシなチャットボット(自動応答システム)でしかない。チャットボット自体は今、とても普及していますが、基本的に気になる答えを返してくれない。それに比べてチャットGPTは使い方によっては役立つこともある。
例えば私は今日二つのチャットボットを使いました。一つは金融機関のユーザーサポートのチャットボットで、もう一つは航空会社のもの。だけどいずれも融通が利かなかった。銀行の去年の取引残高を見たいと言っているのに、それに対しては答えず、『銀行の窓口にいってください』などと言われる。航空券も予約できないから問い合わせてと言われて、チャットボットに聞くと、『私にはできません』という答えにたどり着くまで10回程度やりとりをしました。
そういうのに比べればチャッ…
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