スパイ風船?米国の上空に監視用気球 国防総省「中国のものと確信」

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ワシントン=下司佳代子
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 米国防総省は2日、監視用の気球が米国上空を飛行していると明らかにした。民間の航空路より高い高高度を飛行しており、「地上の住民に軍事的、物理的な危険はない」と判断しているという。同省高官は「気球は中国のものだという強い確信がある」と語った。

 ライダー報道官は「こうした気球の活動は、過去数年にわたって観測されている。今回の気球を発見後、米政府は機密情報の収集を防ぐため直ちに行動した」と話した。数日前に米国本土の上空に入ってきたとみられるという。米メディアは「スパイ風船」などと報じている。

 高官は、撃墜した場合に破片で危害が予想されるほどの大きさだと説明。1日には、モンタナ州の人口の少ない地域の上空で撃墜できるかどうか検討したが、リスクを考慮して実行しなかったという。「破片が飛散する可能性があり、地上の人々の安全を害するリスクがあるため、(軍事的な)行動を避けるようミリー統合参謀本部議長らの強い勧告があった」と明らかにした。

 モンタナ州には大陸間弾道ミ…

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この記事を書いた人
下司佳代子
アメリカ総局|米国の外交・防衛
専門・関心分野
国際報道
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年2月5日0時37分 投稿
    【解説】

    中国が偵察目的で気球を上げることの疑問はあれこれあるが、偵察衛星で得られる情報とさして変わらない情報しか得られないとアメリカの当局もわかっているのになぜこれだけ大騒ぎになるのかよく理解できない。中国もこの気球は中国のものだと認めている点は興

    …続きを読む