「リニア部分開業、国が影響示して」川勝知事が岸田首相宛て書簡

山崎琢也

 リニア中央新幹線の開業後に、静岡県内で東海道新幹線の停車本数がどの程度増えるかを国土交通省がシミュレーションすることについて、川勝平太知事は、品川から大阪までの全線開通時とは別に、名古屋までの部分開業時の影響なども示すよう求める書簡を岸田文雄首相宛てに送った。24日の定例会見で明らかにした。

 書簡は同日午前、県の職員が提出した。書簡で川勝知事は、「リニア開業の効果は、部分開業の影響と、全線開業による影響を区別する必要がある」と指摘。部分開業の場合の東海道新幹線の本数や県内駅への停車回数についても示してほしいとしている。

 また、岸田政権が推進する「デジタル田園都市国家構想」によって、東京圏から地方への人口移動が想定されることや、オンラインの普及による人流減など、社会動向がリニアに及ぼす影響を示すことなども求めている。

 会見で川勝知事は「東京から名古屋までしか開業していないときにどんな影響があるのかが、県民にとって知りたいことではないか」と話した。

 国はリニア開業時のメリットを示すことで、開業に対する県側の理解を促す狙いがある。リニアの静岡工区の着工については、大井川の流量が減ったり、南アルプスの生態系に影響したりすることが懸念されるとして、県は認めていない。(山崎琢也)…

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