名門放送部、今度のテーマは「震災」 東播磨高

森直由
[PR]

 全国優勝の実績がある兵庫県立東播磨高校(稲美町)放送部が、阪神・淡路大震災を題材にしたラジオドキュメント番組の制作を始めた。

 同部は2019年、全国の高校生が放送作品を競うNHK杯全国高校放送コンテスト(Nコン)のラジオドキュメント部門で、全国優勝。音声によるノンフィクション作品として、甲子園を目指す野球部を描いた。22年には音声による創作作品を競う創作ラジオドラマ部門で、再び全国優勝した。部員は現在1、2年生20人だ。

 昨年末、次回コンテストに向け題材を検討する中で、顧問の大江真理教諭(59)が震災を取り上げないかと提案。生徒たちも「自分たちが知らない震災について学びたい」と賛成した。震災を体験した同校教諭ら数十人にインタビューし、7分ほどのラジオ番組にすることにした。

 今月上旬にインタビューしたのは、震災直後に臨時災害放送局「FM796フェニックス」で復興への歩みを伝えた元リポーター三条杜夫さん(75)=神戸市垂水区。1、2年生の部員5人が同校放送室に三条さんを招き収録した。

 三条さんは震災直後の神戸市長田区の状況などを約1時間半にわたって話した。インタビュアーを務めた前田咲音(さきね)さん(2年)は、「震災を体験した人の話をしっかりと聞いたのは初めてで、普通に生活できるのはありがたいことだと感じました。震災を知らない人にも伝えられるような作品を作りたいです」。録音担当の岡田侃大(かんだい)さん(2年)も「三条さんの言葉は生々しくて重みがあり、ひきこまれました。作品を通じて、自然災害の恐ろしさや防災意識を高めることの大切さを訴えたいです」と話していた。

 5月までの完成を目指し、6月のNコンに出品する予定。主人公は三条さんにするつもりだ。(森直由)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら