昨年、惜しまれつつ引退したテニス界のスーパースター、ロジャー・フェデラー(41)。流麗なプレースタイルに加え、人格的にも尊敬を集めた人だ。昨年11月に来日したとき、単独インタビューが実現した。自身の歩み、そして未来ある子どもたちへのアドバイスを聞いた。(敬称略、編集委員・稲垣康介)
フェデラーが本格的にテニスに取り組むようになったのは8歳。地元スイス・バーゼルのテニスクラブに入ったときだ。プロでの活躍を信じられるようになったのはいつごろなのか。
「最初は夢だよね。ウィンブルドン選手権で優勝してトロフィーを掲げる、みたいなまねをしていた。当時、空き時間には卓球もしていた」
「現実的な夢、目標に変わったのは14歳で親元を離れて国立テニスセンターに行ったときだ。自分の人生にとって重要なステップになるという自覚はあった」
フランス語圏に移っての生活。ドイツ語と英語しか話せなかった当時、ストレスがたまった。
「狂ったようにホームシックになったし、言葉の壁もあった。居心地が悪い環境だったし。でも、何かに挑むとき、逆境、試練は必要だ」
紳士的な振る舞いが印象的だが、ジュニア時代は気性の激しさで有名だった。父との対話で、それは改善されていったという。
「自分がそのときにできる最善を尽くしていなかったり、自分の中で最高の自分を演出できなかったりすることに、僕はいら立っていたんだ。父は節目で『コートで文句を言うのは、お願いだからやめてくれ』『君は成長する必要がある』と言葉をかけてくれた。もちろん、すぐ完璧に振る舞えるようになったわけではないけれど、父が諭してくれて、成長が加速したのは間違いない」
記事後半では、壁にぶつかった子どもたち、未来ある子どもたちにフェデラーさんがアドバイスを送る動画をご覧いただけます。仕事に悩む大人にとっても参考になる内容です。
ラケットを最後にたたき壊したのはいつ?
「2009年の大会かな。練…
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