海外で触れた「世界レベル」の部活 中高生がサミットで深めたもの

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編集委員・中小路徹
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 「試合中、監督は何に関与しますか」

 「選手交代を監督が決めることもあれば、自分たち生徒で決めることもあります。接戦の時は、生徒から監督にアドバイスを求めることもあります」

 11月21、22日に静岡聖光学院中・高で開かれた、部活動サミットでの質疑応答の一コマだ。

 登壇していたのは、安田学園高(東京)のバスケットボール部員。

 他校の生徒たちから質問がとんだ。

 「(部員間で何かを決める時)意見が分かれたらどうするのですか」

 「単純に多数決では決めません。対立した時は、みんなが納得するまで話し合います。意見が30人と10人で分かれても、10人の方が正しいときがあるからです」

 活発なやりとりがみられた。

 サミットに参加したのは2校に加え、江戸川高野球部(東京)、静岡英和女学院中・高バドミントン部、専大北上高野球部(岩手)、藤枝順心高サッカー部(静岡)、旭川東高野球部(北海道)の計7校。

 その他、仙台市立中の野球部顧問や大分県立高のラグビー部顧問など、全国の6校の教員が研修などの形で参加した。

 部活動サミットは2018年に始まり、コロナ禍による中断を挟んで3回目を迎えた。

 企画・運営は静岡聖光学院中・高の生徒たちが主体となってきた。同校では創立当初から、すべての部活動が週3日、1日90分、冬場は60分と決められている。

 近年、部活動の長時間活動が問題視され始めたこともあり、ラグビー部の生徒が「短時間で練習の質を高める方法を学びたい」と教員側に提案。サミットが始まるきっかけになった。

 3年ぶりの開催となった今回、テーマの軸は、生徒が主体的に動くボトムアップ式の活動へと移った。

 江戸川高野球部は、選手同士…

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この記事を書いた人
中小路徹
編集委員|スポーツと社会
専門・関心分野
スポーツと社会、サッカー、朝鮮半島