岡山市の運賃無料デー バス・路面電車の利用者、最大2・4倍に

前田智 雨宮徹

 岡山市が7~12月の日曜などに実施している路線バス・路面電車の「運賃無料デー」で、利用者は通常に比べて最大2・4倍に増えた。岡山城のリニューアルオープンがあった11月3日、7万6千人に達した。特に新型コロナの第7波が収まってきた9月以降の伸びが目立つという。

 無料デーはコロナ禍で利用減に苦しむ公共交通の支援と経済活性化が目的。今年は7~12月の毎月第4日曜日(10月のみ第5日曜日)と、催しがあった11月3、20日に実施した。12月25日にも予定している。事業費は1億1300万円。

 市によると、11月3日のバスと路面電車の利用者は、直後の日曜の6日と比べると2・4倍に達した。7~8月も1・4~1・9倍だった。商業施設への聞き取りでは、売り上げの増加も見られたという。

 また、利用者へのウェブアンケートでは、路面電車やバスを「普段、利用しない」「年に数回」とした人のうち、約半数が「今後、公共交通中心に変えてみる」「時々は利用しようと思う」と回答。市は無料デーが一定の効果があったとみているが、来年度以降も実施するかは、コロナ禍や公共交通機関の経営状況を見て判断する。

 県内では、倉敷市も9月~11月の4日間、市内の路線バスと水島臨海鉄道を無料で利用できる日を設けた。

 宇野バス(岡山市)では来年1~3月の最終日曜の計3日間、岡山駅(同)と湯郷温泉(美作市)を結ぶ直行バスに「無料デー」を設ける。12月25日の今年最後の無料デーは、予約の受け付け開始から数日で定員30人が埋まったという。

 7~8月は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、無料デーを設けながらも利用を控えるようホームページで呼びかけていたという。

 来年の運行は1月29日(予約開始1月8日)、2月26日(同2月5日)、3月26日(同3月5日)を予定している。申し込みには、ワクチンの3回以上の接種が条件になる。問い合わせなどは、宇野バス(086・225・3311)へ…

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この記事を書いた人
雨宮徹
姫路支局
専門・関心分野
ハンセン病、被爆者、歴史、災害、地方政治