ワンオペ妻のわだかまり 上野千鶴子さん「能天気な夫の末路は…」

有料記事悩みのるつぼ

[PR]

悩みのるつぼ 相談者(40代女性)

 40代後半、家族は夫と中高生の子供2人です。大学卒業後からずっと同じ会社に勤めています。夫とは会社の同期、結婚後も出産まではほぼ同じペースで働き、順調に昇進もしてきました。しかし、出産後は育児休業、時短勤務、育児や家事のほとんどが私にのしかかりました。育児も家事も嫌いではなく、多分私の方が得意分野だろうとも思っていました。でも、仕事が苦手なわけでもなかったので、物理的に色々と諦めることが増えたのは残念でした。

 その間、夫はマイペースに仕事をし、予想以上に昇進もし、順調そのものです。私からは意気揚々と仕事をしているように見えます。もちろん大変なこともあるのでしょうけど、それすらまぶしいのです。これまで私も何も言わなかったわけではなく、事あるごとに「あなたのビジョンに私や子供たちはいるのか」と。その度に夫は無言を貫き会話にはなりませんでした。

 もやもやしています。私には子供の成長や他の楽しみがあるし、仕事を続けてこられただけでもありがたいことだと言い聞かせて納得しても、すぐにまたもやもやが顔を出します。実際仕事を続けられたのは、大変な時に遠方から手伝いにきてくれた私の両親のおかげでもあります。とはいえ、このもやもやから何か善いものが生まれるとは思いません。早く手放したい。よい方法はありませんか。

回答者 社会学者・上野千鶴子さん

 この「もやもや」感、「あるある」満載の普遍性のあるご質問です。

 韓国のベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』はお読みになりましたか? 子育てへの不安を口にする女主人公は、「失うもののことばかり考えないで」と明るい声で言う夫に静かにこう言い返します。「あなたは何を失うの?」

 子育てを引き受けた女性は出…

この記事は有料記事です。残り834文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら