新作劇の名は「家を壊す」 福島の劇作家が東京の人に送るメッセージ

有料記事

福地慶太郎

 震災と原発事故は終わっていない――。東京電力福島第一原子力発電所が立地する福島県双葉町に着想を得て、こう訴える新作劇が、16日から福島で上演される。作・演出は、原発誘致から事故までの町の半世紀をたどる「福島三部作」を手がけた谷賢一さん(40)。10月に東京から町に移り住み、肌で感じた被災地の今を描いたという。

 新作劇は「家を壊す」。福島県沿岸部・浜通りのとある町に帰ってきた男とその家族が「わが家」を解体するかどうか苦悩する姿を通して、故郷とは何か、アイデンティティーとは何かを問いかける。

 公演は2部構成(各約50分)で、俳優の南果歩さんや、福島県出身でNHK連続テレビ小説や舞台で活躍する佐藤みゆきさんらが出演する。1部は双葉町を含む浜通りの現状を書いた短編を出演者が朗読する「リーディング形式」で、2部で「家を壊す」を上演する。

 着想のきっかけは、谷さんが…

この記事は有料記事です。残り813文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
福地慶太郎
くらし科学医療部
専門・関心分野
原子力、福島第一原発事故、生命科学