独自

第1回ウクライナ攻撃ドローン部品に「メイド・イン・ジャパン」 なぜ転用

有料記事

キーウ=杉山正

 ウクライナを攻撃するのに使われたドローン(無人航空機)の実物があるという。特別に取材できないか。ウクライナ軍から、取材に応じると連絡があったのは11月下旬だった。

 ドローンは、首都キーウ中心部から離れた軍情報局の施設に保管されていた。

 施設内の木の床に、大人の背丈ほどの白いドローンが転がっている。ある機体は先端が破壊され、ぱっくりと欠けていた。

 別の機体は、エンジン部分に直径5センチほどの穴が開いていた。

 「ウクライナ軍が迎撃した跡だ」

 目出し帽をかぶった軍情報局員が説明した。「ドローンはイラン製だ」とも付け加えた。目出し帽の男性は同局のドローン専門家という。

 ロシアによるウクライナ侵攻で使われたドローンのうち、ウクライナ軍は、撃ち落とすなどして原形をとどめたものを保管し分析を進めている。

ロシアがウクライナ侵攻で使うドローン(無人航空機)の部品に、日本企業の製品が含まれている可能性が高いことがわかった。ウクライナ軍情報局の分析結果から明らかになった。部品の多くは家電パーツなどの民生品。「メイド・イン・ジャパン」の製品がなぜ殺傷兵器に生まれ変わったのか。

粗末な機体、粘着テープでつなぎ合わせたような跡も

 この日、ウクライナ軍が朝日…

この記事は有料記事です。残り1526文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トク】締め切り迫る!記事が読み放題!スタンダードコース2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
杉山正
ヨーロッパ総局長
専門・関心分野
国際政治、紛争、外交、民主主義
  • commentatorHeader
    小泉悠
    (東大先端科学技術研究センター准教授)
    2022年12月15日9時38分 投稿
    【提案】

    依然として主力兵器はハイテク・ハイエンド・専用部品で出来上がっていますが、自爆ドローンや偵察ドローンは(ほぼ)使い捨てである一方、数が揃うのが重要ですから、安く・早く出来上がるのが至上命題になるようです。その結果が、日本を含めた民生品の活用

    …続きを読む
ウクライナ情勢

ウクライナ情勢

2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を開始しました。国際社会の動きや、現地の様子などのニュースをお伝えします。[もっと見る]

連載戦場のドローンはどこから来たか 「メイド・イン・ジャパン」の衝撃(全4回)

この連載の一覧を見る