園バス置き去り、前理事長ら書類送検 業務上過失致死容疑で静岡県警

小山裕一
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 静岡県牧之原市認定こども園「川崎幼稚園」で9月、河本千奈ちゃん(当時3)が通園バスに取り残されて死亡した事件で、県警は5日、バスを運転していた増田立義・前理事長(73)=牧之原市=ら4人を業務上過失致死容疑で書類送検し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。

 県警捜査1課によると、ほかに書類送検されたのは、バスに添乗した派遣職員の女(76)、クラス担任だった女(47)、副担任だった女(26)=いずれも退職。4人は9月5日、園児の安全に注意を払う職務上の義務があるのに怠り、川崎幼稚園に到着した通園バスの中に千奈ちゃんを置き去りにし、熱射病で死亡させた疑いがもたれている。

 事件当日、バス運転手が急な休みをとり、増田前理事長が代わりに運転した。増田前理事長と添乗した派遣職員の女は、降車時にバスの車内を十分に確認せず、施錠していた。担任と副担任は千奈ちゃんの不在に気づきながら、保護者らに出欠の確認をしなかったとされる。

 川崎幼稚園を運営する学校法人「榛原学園」は代理人弁護士を通じて、「前代表者を含む関係者が送検されたことを重く受け止め、被害園児のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に心より謝罪申し上げます。今後も必要な捜査に協力するとともに、二度と事故を起こすことのないよう努力を続けてまいります」とコメントを出した。

 県警が事件後の9月14日に実施した検証実験では、車内は40度を超える高温になっていた。

 事件を受けて、静岡県と牧之原市は園に特別監査に入った。ずさんなバスの降車確認や登園確認など、法令に抵触する安全管理体制の不備が確認されたとして、10月14日に改善勧告を出した。(小山裕一)

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