就活生のなりすまし受検、なぜ横行? 「不正を正当化」する学生たち

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聞き手・大山稜
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 就活生になりすまして採用試験のWEBテストを「替え玉受検」したとされる男が警視庁に逮捕された。ネット上には同様の「代行」をうたう業者が数多く存在する。横行する背景には何があるのか。就活に詳しい採用アナリストの谷出正直さん(43)に聞いた。

 採用試験でのWEBテストは2000年ごろから主流になってきました。(就職情報サイトの)「リクナビ」が登場し、はがきでの応募からWEBでのエントリーに移り変わったころです。企業にとっては、会場設営や監督者などのコストが削減でき、学生側にとっても会場に行かずに受検できるメリットがありました。

 WEBテストには、回答までにかかった時間がわかるというもののほか、回答によって問題をリアルタイムに変えられることができるものもあり、様々な企業のニーズに合わせた新しいテストが常に生まれています。

コロナ機に増えたWEBテスト

 20年からは、新型コロナ対策で会場に人を集めることを避けようと、採用にWEBテストを採り入れる企業が増えました。対面で話す機会が減って入社希望者の情報が得にくくなり、WEBテストを使って補いたいと考える企業側も少なくないそうです。

 友人と協力してWEBテストを解く、という人は昔からいましたが、「WEBテスト代行」をうたい、もうけを得ようとする業者が現れたのは、16年ごろからではないかと思います。就活のルールが毎年のように変わる一方、SNSが若者世代に浸透し、代行業者と就活生が簡単につながれるようになったことが大きな要因でしょう。

なりふりかまってられない

 実際に代行業者を使ったことがあるという学生から話を聞いたことがあります。

 彼らの言い分は「内定を得る…

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この記事を書いた人
大山稜
東京社会部|気象庁担当
専門・関心分野
気象、防災行政、労働