第7回自分より弱いものをたたく「弱者男性」 その苦しみを社会が救うには

有料記事「男性を生きづらい」を考える

聞き手・伊木緑

 「弱者男性」という言葉を近年、ネットでよく目にします。なぜ「弱者男性」が生まれ、どんな苦しみを抱えているのでしょうか。ネット言論に詳しい文芸評論家の藤田直哉さんに聞きました。

 ――「弱者男性」という言葉が使われ始めたのはいつからですか。

 SNSを中心に2010年代から盛んに使われるようになりました。女性や性的少数者、民族的マイノリティーの権利が尊重され、共感を呼ぶ風潮に反発し、「強者」とされる男性の中にも自分たちのような「弱者」性を持つ男性がいるのにないがしろにされていることを提示する言葉です。

 「キモくて金のないおっさん(KKO)」「かわいそうランキング」などの表現を経て、「弱者男性」へとシフトしてきました。

 ――どのような人たちなのでしょうか。

 はっきりとした定義はありませんが、非正規雇用などで収入が少ない、コミュニケーションが苦手、女性にモテないという特徴のほか、発達障害や精神障害など何らかの障害を持っていることを告白するケースも増えています。就職氷河期の世代が目立つようにも見えます。

より弱い者を攻撃

 いまの社会が男性中心社会で…

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]

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