中世の墓付近から銅貨…三途の川の渡し賃? 三重・鈴鹿の水深遺跡

松原央
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 三重県鈴鹿市徳田町の水深(みずぶか)遺跡で、6世紀中期の古墳の周溝や奈良時代の建物跡、鎌倉から室町時代にかけての火葬墓などが発見された。県埋蔵文化財センターが発表した。墓は約40基に及び、付近から銅銭なども見つかったことから、センターの担当者は「当時の葬り方がうかがえる発見だ」としている。

 水深遺跡は、弥生時代の遺構が見つかった森ケ坪遺跡などが集中する丘陵地にあり、農地整備事業に伴いセンターが8月から発掘調査していた。

 見つかった古墳の周溝から、古墳時代に直径約14メートルの円墳があったと推測されるほか、奈良時代の掘立柱建物の遺構(東西9・5メートル、南北4・9メートル)や各時代の土器や陶器も見つかった。

 鎌倉から室町時代にかけての火葬墓約40基のなかには、人骨や炭化した木が残っているものもあり、付近の穴からは「開元通宝」など中国製の銅銭が発見された。

 今月上旬にあった現地説明会で、センターの小浜学・調査研究1課長は「あの世に行く渡し賃のようなものだった可能性もある。江戸時代に土葬が中心になる前の葬り方の一端がうかがえる」と話した。(松原央)

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