「蘭茶みすみ」の夢は夜ひらく 発達障害に性別違和、感じない空間で

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熊井洋美
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 午後7時。インターネット上の仮想空間「メタバース」で、蘭茶(らんちゃ)みすみさんの1日が始まる。

 肩下で揺れるサラサラの黒髪と、吸い込まれそうなほど透明感のある瞳。蘭茶さんは、3Dアバターの姿でユーチューブ配信をするVチューバーだ。

 メタバースにいるときは、自分の部屋に遊びに来てくれた友人と語り合い、色んな場所に出かける。

 時には華やかなステージにも立つ。虹をあしらった水色の衣装をまとい、自ら作詞を手がけたオリジナル曲を歌って踊る。

 「眠っていた夢たちが カラダあふれて 私のカタチ彩(いろど)って 叫ぶ」

 深夜0時ごろまでメタバースで過ごした後、パソコンの電源を切り、眠りに就く。

 蘭茶さんの現実世界での姿は、中部地方で暮らす男性(26)だ。3年ほど勤めた新聞社を、この夏に辞めた。

 ずっと生きづらさを感じてきた。

 小中高と、不登校を経験した。同級生とおしゃべりしたくても、相手にどう思われるのかが気になり、うまく返事ができなかった。

 「顔がキモい」と言われ、いじめられたこともあった。

 小学3、4年生ごろ、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)と診断された。

 言語理解のスコアは標準を大きく上回っていたが、情報処理能力がかなり低かった。

 だが、生きづらさの理由はそれだけではなかった。

 小学生の頃からずっと、「女…

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    岡崎明子
    (朝日新聞デジタル企画報道部編集長)
    2022年11月20日18時28分 投稿
    【視点】

    メタバースはゲームなどで使われることが多いですが、医療の分野で治療にも使えるのではないか、という知見が少しずつ出ています。 その一例が、メンタルヘルスの分野です(https://www.annualreviews.org/doi/abs/

    …続きを読む