原発事故対応すでに12.1兆円 賠償、除染、廃炉… 検査院調べ

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山本孝興
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 東京電力福島第一原発事故後の11年間で、賠償や廃炉作業などの事故対応にかかった費用が約12・1兆円に上ることが、会計検査院への取材でわかった。政府は事故の対応費用を総額21・5兆円と見込むが、廃炉作業は難航し、賠償額も拡大する懸念がある。今後対応費用が膨らむ可能性もあるなか、すでに半分以上が使われた形だ。検査院は7日、政府に対し、費用の見込み額を検証し、見直す場合には国民負担のあり方についての説明などを求めた。

 検査院が、2021年度までにかかった費用を調べたところ、被災者らへの賠償が7兆1472億円▽除染関係が2兆9954億円▽中間貯蔵施設関連が2682億円▽廃炉・汚染水対策が1兆7019億円となっていた。

 政府はこれまで対応費用の想定を複数回見直してきており、16年、それまでの11兆円から計21・5兆円にほぼ倍増する見通しを示している。

 対応費用のうち、賠償と除染…

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    市田隆
    (朝日新聞記者=調査報道、経済犯罪)
    2022年11月7日20時29分 投稿
    【視点】

    会計検査院が求めた、廃炉作業などにかかる費用の見込み額の検証。それは、東電福島第一原発の事故から11年以上経過しても、廃炉への道筋が明確になっていない、技術的にも克服できていないという現状を改めて浮き彫りにしたことになった。 検査院の指摘

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